西日暮里→日暮里。一駅分歩く。
西日暮里在住時、贔屓にしていた酒場は2軒だけ。まずは提灯が目印の店へ。よし、営業中だ。「お久しぶりです」そう言って店内へ入った。いきなり常連のMさんの姿が目に入る。
すると、奥から女将さんが現れた。「平さん、元気でしたか?腰は治ったの?」簡単に近況を話す。元住んでいたハイツが取り壊され、そこが更地になったことを伝えると、Mさんと女将さんは驚いていた。
親父さん亡き後、若い方が焼き場を引き継いだ。まずは瓶ビ。つまみに、カシラ、シロ、レバーをオーダー。タレの味は変わっていなかったが、やっぱり親父さんとはネタの大きさと焼き加減がちがう。
マカロニサラダ、酎ハイ×2を追加。女将特製のポテサラはメニューから消えていた。長く通った店だけに、旧料金は全部頭に入っている。90円の串類は130円、瓶ビ460円から580円、酎ハイ290円は350円に値上げ。
ギリギリ大衆酒場料金の設定だと思うが、以前なら約1700円だった会計が2300円になってしまうと、ご近所ではなくなったエリアから足を運ぶ回数はめっぽう減るだろう。酎ハイ2杯分はデカい。
2軒目は駅前の角打ち(立ち飲み屋)。数々の日本酒を120mlor180mlで出してくれる、酒好きにはたまらないスタイル。希少な田酒(青森)も格安でいただける。しかし、ここもそれなり値上げ。
1杯100円前後の割増料だった。繁桝(福岡)の180mlを注文。角打ちで腰を据えるのは御法度。一杯だけ。お会計600円払って店を出た。山手沿線ながら荒川区は他と比べて下町風情が残っている地域だ。
ちなみに昨日書いた1000円カットの店は1600円になっていた。こうなると、外食を極力控え、散髪も自分で済ませる人が増えていくだろう。あらゆるジャンルの“大衆店”ほど“質”が問われる時代になったといえる。
パイのLIVE料金は2500円。これはもうフンドシ締め直して挑まなければならない。単なる日暮里挨拶まわりが、こんなに身につまされるとは思いもしなかった。現実を知ること、直視すること、とても大事である。