この世は寄り道
2015年 01月 29日
ボ・ガンボス。この類い稀なバンドをご存知だろうか?
ボーカルの「どんと」は2000年1月27日にハワイ島で亡くなった。死因は脳溢血である。
享年37才。若すぎる死に驚いたものだ。しかしボクは、なぜか彼の死は容易に受け入れられた。
1991年、下田吉佐美大浜海岸で初めてボ・ガンボスを見た衝撃を忘れることができない。
ボクは最初、あのバンドに対して否定的だった。「なまずでポルカ」「助けてフラワーマン」
「魚ごっこ」「見返り不美人」などなど、変な曲名ばかりなんだもん。おちょっくてやがると。
この日もお手並み拝見程度の気持ちでいた。19才のガキだが、当時から好みにはうるさかった。
それがどうだ。本番が始まったとたんノックアウト。体が自然に揺れた。
あぁ、これがグルーヴなんだなって。スゲェなと。それからずっとはまっている。今も尚。
どんとは当時から宇宙人みたいな地球人で、解散ライヴの日比谷野音の時なんて、
もはやこの世から解脱したような宗教のシンボルみたいになっていた。
だから、現世は“寄り道”みたいなものだったでしょう。それから5年後、あっさり死んだ。
沖縄移住してから3枚のアルバムを残している。内、2枚は宅録。灼熱の室内で録音された。
その曲のほとんどが、死を予言した内容。すごい置き土産をしたもんだよ。
どんとの旅はきっとあの世で続いているにちがいない。金色の袈裟をまとって歌っているだろう。
平馬