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「ザ・パイのパイ」オギノへーマ殴り書き/書き殴り/本音/虚偽/事実/夢想/真実/妄想/本音/無根/吐露/激情/・・その他諸々の五百字詰め。毎日更新!


by ヘーマ

旅日記8~風に吹かれて~

 朝8時にトゥクトゥクに乗り込む。




 トゥクトゥクは荷台付きのバイクタクシー。基本4人定員だが、通りには6、7人乗りなんてざら。
ふつうのバイクだって4人が乗って猛スピードで走っているのだ。交通手段は車とオートバイのみ。
バスや電車はこれから。しかし、現在のカンボジアは猛烈な勢いで経済成長している。


 信号待ちでレクサス渋滞があったりと、とんでもない金持ちも点在しているようだ。
靴を履けない貧困層と、ビルを何棟も所有する裕福層。日本ではありえない開きを感じた。
プノンペンに計10年在住しているGさん夫婦と合流。おいしい米麺のレストランで朝食。


 それから男三人衆でメコン川の入江を目指す。Gさんはクメール語を完璧にマスターしている。
トゥクの運転手に値段交渉。1日20ドルで契約していた。目的地のキエンスバイまで45分。
繁華街からわずか20分でアスファルトがなくなる。砂道。えーちゃんの旦那さんは用意周到。
しっかり医療用マスクを3枚持参していた。砂煙をあげてひた走る。脇には傾いた売店の列。


 こんな強烈な光景を朝から見るとは。マスクごしの口は開いてふさがらなかった。
入江に着いてすぐのところにフードコートがある。といっても魚や鶏を網で焼いているだけ。
焼き亀もありました。地べたに這いつくばった物乞い。時間差で見たら金勘定してやがった。


 その横に猿回し。この雑然さがいかにもである。やはりここでもGさんの値切り交渉。
いろいろ買いこんで渡し舟に乗る。川風が心地よい。これはもう快楽の世界といっていい。




 巨大な退屈を一生かけてしのいでいるだけに過ぎないのが人生だ。
生きる理由なんてあるわけがないと、かねがねボクはそう思っている。
しかし、もしかしたらイイ風に吹かれる事が、人にとって最高の幸せなのかもしれない。


 先進国でこんなそよ風は吹かないよ。それがそもそも日本人の不幸のはじまりでないのか?
水面でビールをやりながら、しばらく感慨にふけていた。素晴らしい時間だった。




つづく




平馬
by h72ogn | 2015-03-04 11:07