「ザ・パイのパイ」オギノへーマ殴り書き/書き殴り/本音/虚偽/事実/夢想/真実/妄想/本音/無根/吐露/激情/・・その他諸々の五百字詰め。毎日更新!


by ヘーマ

「皆殺しのバラッド」評

※内容に触れています。

これから「皆殺しのバラッド」をご覧になる方は読まないで下さい。




 ここ最近、再び映画熱が甦ってきたようだ。「アメリカンスナイパー」「バードマン」
「セッション」そして今回は「皆殺しのバラッド」というドキュメント映画を渋谷で見る。
メキシコ麻薬戦争を軸に、ミュージシャン、警察、犠牲者(遺体)をクローズアップしたもの。


 世界で最悪の危険な国境の街「フアレス」。お隣はテキサス州エルパソ(米国)である。
殺人事件の被害者数を比較すると、エルパソ5名に対しフアレスは6500人‼これは異常な数字だ。
流行りの音楽はナルコ・コリード。メキシコ産のラップのようなもの。


 ここに住む人はみな低収入。無法地帯と化した街にまともな仕事などないのだ。
それと、どんな地獄でも“住めば都”という呪縛があるのかもしれない。
たとえ家族に危害がおよんでも、あの土地から動こうという意識すらない人もたくさんいる。


 麻薬&殺人讃歌のリリックでラップしている男(27才)はこの真逆なのだ。
アメリカ在住でいながら、メキシコのヤバイ地域に短期移住をこころみたりする。
「悪」に対する憧れがどんどん肥大していく様をカメラは見事にとらえていた。


 ナルコ・コリードは、音だけを聴くと非常によい。いってみればあれはメキシコ民謡だから。
曲はすべて早いテンポの3拍子。映画そのものも、この“3”というのがキーワードになっていた。
住居、家族、仕事の3つ。街に居をかまえ、職につき、家庭を養うという三位一体。


 これが麻薬戦争のせいで、どれもこれも崩壊してしまう。とりつく島もない。
絶望だ、絶望。ボクはここまで光明や、一筋の光すら見いだせない作品を初めて見た。
ラストシーン。殺された悪党は城のような墓に眠り、善良な庶民はバラック小屋で暮らす。




 この場面がすべてを象徴していたように思う。んん~、2度は見たくないなァ。



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平馬
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by h72ogn | 2015-04-25 17:47