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「ザ・パイのパイ」オギノへーマ殴り書き/書き殴り/本音/虚偽/事実/夢想/真実/妄想/本音/無根/吐露/激情/・・その他諸々の五百字詰め。毎日更新!


by ヘーマ

長崎旅日記

 ひとり旅回顧録(長崎篇)ということで数日間連載します。




 まずは端島。通称「軍艦島」。数年前から船で島まで行き上陸できるようになった。
ドルフィン桟橋は造りがひじょうに小さく、防波堤もない。ふつうそうなると浮き桟橋になる。
ところがこれはコンクリート。波が高いと船と一緒に揺れないから倍の影響をうける。


 雨、風、波、視界、安全が確保されないと上陸は海上で即中止。ぐるりと周回して終了だ。
確率30%。期待してはいけない。けど、飛行機で遠方から来ているわけで…さてどうだ?
近隣の高島で一旦停船。100人の参加者は固唾を飲んだ。「本日上陸いたします」ヤッター!!


 ちなみに前日はNGだったらしい。いよいよ島へ足を踏み入れる。全長480メートル。
周囲1200メートル。想像より小さく感じた。ここに最盛期(昭和30年代)で5300人が暮らした!?
人口密度世界一。東京の9倍。建物は高層化、島そのものも石炭のボタ土で埋め立て拡張している。


 日本初の鉄筋コンクリートアパート(大正4年)はまだ健在。炭鉱場もわずかだが残っている。
ひしめき合うように建造物が連なる住居エリアは、倒壊の恐れがあるため近づくことはできない。
ガイドさんが各ポイントで拡声器を持って話をしてくれた。これが流暢で含蓄もあり最高なのだ。


 もはや芸の領域である。最近、実際に端島に住んでいた方々がよく参加してくるという。
彼らの共通は、笑顔がない、写真撮影をしない。涙を流す人、肩を落としている人も多い。
それは我が故郷が「軍艦島」という物騒な俗称で呼ばれ、廃墟の見せ物になっているからだ。


 このお話を聞くまで、実はボクも廃墟好きであった。カッコイイとも思っていた。
「マッドマックス」や「北斗の拳」のリアル版じゃないかとね。けれど、今はもう違う。
知れば知るほど気が滅入るような島の暗黒歴史。中国人や韓国人への強制労働。拷問。虐殺。


 もちろん日本人でも過酷な労働環境に変わりない。現場は地下900m(!)。ゴンドラで600m下まで降りる。
約3分で一気に。途中で気を失う人もいたようだ。そのかわり高給とり(日本人限定)。
なんとカラーTVの普及率100%。家電品の充実も群を抜いていた。病院、学校、交番、神社、
プール、パチンコ屋、映画館、雀荘、留置場まで完備。行商人による青空市もあった。


 端島=光と影の差を感じずにいられない。





つづく


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平馬
by h72ogn | 2015-05-21 19:37