いつの間にか王者
2015年 06月 16日

快挙。歴史的勝利だ。
総合格闘技の頂上決戦「UFCヘビー級タイトルマッチ」が13日(日)にメキシコで行われた。
王者/ケイン・ベラスケスVS暫定王者/ファブリシオ・ベウドゥムの一戦がメインイベント。
戦前は、7:3でケイン勝利を予想した人が多かった。負傷欠場からの復帰戦なんだけどなぁ。
そのハンデを凌駕してしまう爆発的強さを持っているからだろう。対するベウドゥムは超地味。
試合のつまらなさといったらPRIDE時代から有名なのだ。知らぬ間に勝っているような選手。
このUFCでも知らぬ間に勝ち上がり、いつの間にか暫定チャンピオンになっていた。
ボクはもちろんPRIDEファンなので、ベウドゥムを応援。たとえ勝つ可能性が低くてもだ。
1Rはケインの猛牛のような突貫攻撃が冴えていた。ベウドゥム劣勢。2Rになって攻守逆転。
だが双方ともスタミナが切れかかっており、決め手に欠く。そして運命の3Rになった。
テイクダウンを狙ったベラは不用意なタックルで頭を下げた。
この一瞬を逃さないベウドゥム。フロントチョークがスパッとはいり一本勝ち!凄すぎる。
37才。PRIDEで来日した時は印象の薄い柔術家だった。後にミルコの寝技の先生になったんだっけ。
実績はある。なんと、「皇帝」ヒョードルと「寝技師」ノゲイラの2人からタップを奪っている。
この歴史的快挙も人気のないベウドゥムだからか、さほど大きなニュースにならなかった。
しかし先日の統一戦勝利をもってして、“地味な戦術”こそが格闘技の本質である事を証明した。
おそらく初防衛戦は、ジュニオール・ドス・サントスとのブラジル人対決になる。
誰がみたって若いサントス有利。しかしまたいつの間にか腕やら足をキメちゃうかもよ。
PRIDEはUFCに会社自体を乗っ取られ、あっけない終焉となった。もはや10年も前のこと。
当時活躍したの選手も40前後と高齢になっている。しかしここは「怨念」を抱いて闘ってほしい。
平馬