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「ザ・パイのパイ」オギノへーマ殴り書き/書き殴り/本音/虚偽/事実/夢想/真実/妄想/本音/無根/吐露/激情/・・その他諸々の五百字詰め。毎日更新!


by ヘーマ

「フレンチアルプスで起きたこと」再評



 な~んか気になったのね。




 すでにこの日誌で触れた、映画「フレンチアルプスで起きたこと」である。
コメディ調という作風の裏に何かが潜んでいるにちがいない。ちょっと調べてみるか。
登場人物の夫婦の真相心理。あれは単なる設定という領域を越えていると思ったわけ。




 なかむつまじい一家(夫婦と子供2人)が5日間の旅程でアルプスへスキー旅行に行く。
2日目のランチタイム。屋外テラスで食事中に事件は起こる。人口雪崩。家族の悲劇。
小規模なはずの雪崩は勢いを増し、テラスを直撃。その時、1番先に逃げたのは父親だったのだ!
よりによってスマホの動画で一部始終が記録されていたのである。父権大暴落。大失脚。
家族間の確執。最悪の旅行となってしまう。とうとうこのお父さん、しまいにゃ泣き崩れた。
これがもう「赤ちゃん返り」といえる情けなさ100%。思わず目を覆いたくなるシーンだ。




 実はリアルに危機的な状況になると、ほとんどの人が我先に自己防衛からするんだって。
だから災害や事故後の離婚率はひじょうに高い。つまり見損なったという感情が爆発。
男は女を守るもの。そんな概念がある。だから逃げたのが男性だった場合、関係修復は厳しい。


 それと嫌な事を認めたくない思いが募りに募ると、本人は事実を捏造する傾向にある。
それでも信頼回復されず、窮地に追いやられると、泣く、わめく、叫ぶ、こんな行為に及ぶ。
これが先ほどの赤ちゃん返り現象なのだろう。「夫婦」「家族」の固定観念は世界共通だ。


 しかし、緊急事態になればなるほど、生き物としての咄嗟の行動は、観念や概念と正反対へ向かう。
そんな風にできてしまっている。いやぁ調べてみるもんだね。面白い。
いろいろ解ると、「フレンチアルプスで起きたこと」は秀作と思える。


 それともう1つ。一瞬にして男に失望した女の冷たさといったらないよな。怖すぎるっての。





「フレンチアルプスで起きたこと」再評_f0347130_08333377.jpg

平馬



by h72ogn | 2015-07-23 08:25