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「ザ・パイのパイ」オギノへーマ殴り書き/書き殴り/本音/虚偽/事実/夢想/真実/妄想/本音/無根/吐露/激情/・・その他諸々の五百字詰め。毎日更新!


by ヘーマ

坂本龍一「CODA」寸評

 坂本龍一を追ったドキュメント映画「CODA」。




 いろいろ考えさせられました。人類は人類にとって都合の良いものを作るために不自然をよしとしている。すべてに。それは楽器という物体もそう。

 劇中、坂本龍一(以下、教授)はその話をした。「ピアノが完成するまで木などに8トンくらいの圧が必要で、ピアノ線に対してもすごい力がかかって調律がなされている」と。


 冒頭で教授が福島で津波に流されていたピアノを弾くシーンがある。音は鳴るが音階は狂っている。しかし、それが何とも形容しがたい情感を醸し出していた。

 津波という災害は人間にとってとてつもなく恐ろしいもの。だが地球にしてみたら単なる自然現象である。教授の新譜、そのコンセプトは“非同期”なのだ。

 日常的に耳に触れる音、自ら作り出した非日常的な音、あのツナミピアノの音色までレコーディングして完成させた力品。

 咽頭癌を患った後の復帰作でもある。病死をリアルに突きつけられた音楽家。死というのはごく自然なもの。延命するには化学療法を用いなければならないのだ。

 生かされているという矛盾をひたひたと感じながら、教授は今まで聴いたことのない新しい音楽を生み出した。タイトルのCODAとは「最終章」という意味である。

非同期にこだわりながら坂本龍一はピアノと同化したのかもしれない。





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ヘーマ

by h72ogn | 2017-11-13 20:03