「ドライブ・マイ・カー」寸評
2021年 08月 28日
上映時間3時間の長尺映画。
「ドライブ・マイ・カー」を見た。場所はTOHOシネマズ日比谷。コロナ対策で収容人数を半分に。それでも前列エリア以外はほとんど埋まっていた。ボクはB10番を選ぶ。まわりに誰もいない。
集中したいから。冒頭、全裸の女がブツブツと呪文のように意味不明なことを話している。いったい何事だ?そう思わせた演出効果は抜群。つかみはOK。ついに最後の最後まで劇場内は静まりかえっていた。
内容には触れません。
夫婦、間男、そして雇われ女運転手、この4人の男女を中心に物語は展開されていく。実にリアルな描写だ。男と女は、別の生き物と思えてくるほど違う。身も蓋もないが、絶対に折り合うことはできないと思わせた。
女は未来の為なら過去・現在をスパッと切れる。棄てる。手放せる。男はそれができない。車、カセットテープ、タバコという遺物にしがみついていた。ウジウジしているのだ。まったく女々しい。
そういえば“女々しい”って男に使うコトバだから。女性にはまず使わない。この映画でもっとも印象深かった存在は、女ドライバー役の三浦透子だろう。この上なく無機質で感情を1ミリも出せない難しい役を見事に演じていた。
ヘーマ