下地❶
2022年 01月 13日
甲本ヒロトは言った。
「スタジオミュージャンよりも、毎日一緒に練習している高校生バンドの方がずっとグルーヴ感がある」
極論なのでインパクト大。ヒロトの感じた“グルーヴ”というのは、おそらく一体感のことだとボクは思っている。LIVEで壇上にいる全員が譜面見ながら演奏していると、視覚的にぶつ切りの寄せ集めに見えてくる。
視覚と聴覚はご近所さんだから、音の方もそんな風に聴こえてくるのだろう。スタジオ系の人は昨日と今日の共演者が違ったりするし、リハーサルもおぼつかない。だから譜面頼りになるのも仕方ないのだ。
パイの場合、「いかにせよこれは」って状況にならないとスタジオリハーサルをしない。しかもみんな居住しているエリアがバラバラ。仕事もそれぞれ。なので、LIVE当日になったりする。昼公演の時は辛かった。
朝8時30分って時もあった。ふだんよりも早起きじゃん。当時、本厚木に住んでいたケイトは漁師なみの起床時間だったはず。リハ終わり、休憩する間もなく会場入りして即ゲネプロ。開演前に3時間半歌う。
ワンマンだと本番90分だから計5時間。変な脳内物質が出てしまうのか?打ち上げの二次会でカラオケへ行こうなんて言ったりする。もうこんな消耗戦みたいなことはしたくてもできないし、やらないにかぎる。
充実したリハーサルができていたのは、やっぱり高校時代〜20代前半まで。その時に思っていなかったが、あれは音楽をやる上で大切な時間だった。そして今、音楽をつづける上でも必要な下地だったのである。
つづく
ヘーマ