下地❷
2022年 01月 14日
17歳~20代前半までがリハーサル充実期。
パイをスタートさせたのは29歳なので、VoにコンバートしてからLIVEの本数にしてはリハが少なくなった。それでも結成から4、5年間は週イチでスタジオに入っていたのだ。
しかも平日。ミーティングが終わると夜11時解散。フォクやナナコはまだ独身時代。フットワーク軽快とはいえ、彼女たちの帰宅は深夜に及んでいたはずだ。今考えると親御さんはさぞ心配していただろう。
とうぜん社会生活をこなしながらとなると、LIVE以前にこのお決まりの平日リハに参加できない者も出てくる。ボク宛ての長い手紙の中には、「他のメンバーに迷惑かけるから」というような文がつづられていた。
タイトルにある「下地」でバンドはほとんど決まってしまう。やはりそこは個人でなく集団活動だからだ。今になると、リハが極端に減っていても何とかなっちゃう。みんな演奏(歌唱)が特段上達したわけじゃないのにだ。
これって精神が技術を凌駕しているとしか思えない(笑)。全員図太くなったんだよ。20年もやってるとね。落語好きになってビックリしたのは、寄席の舞台裏。演者さんが自分の出囃子が鳴っているのに世間話している光景だ。
ボクはだいたい袖が見える端席に座るようにしている。なぜなら素の噺家さんが見られるから。2019年9月・四谷天窓ワンマンの録音が残っていた。スマホをカウンターバー横の棚に置いてRECスタート。SEが鳴って各メンバーがステージへ。
しんがりの登場はボクである。数十秒ほどの間が開くのだが、その時ボクは楽屋に居た女性2人に向かって「団子の差し入れがあるから、やわらかいうちに早く食べるといいよ。うまいよ、これ」と話していたのだった。
え、何?初心忘るべからず?冗談言っちゃいけない。初心なんぞとっとと忘れて図太くなっちまった方がイイ。だがしかし、そうなるまでにはそうなる下地がいるということだ。
ヘーマ