「ギャング・オブ・アメリカ」寸評
2022年 02月 11日
それもそうだ。
その昔、立川談志が時事ネタを放り込んだマクラ(ネタ前の世間話)で、女子高生が売春で大金を稼いでいたという報道に対し、「売春婦が高校に通っていただけの話じゃねぇか」とバッサリ。
いかにもという意見だが正論である。映画「ギャング・オブ・アメリカ」もそういう見方をすれば、別にどうってことはない。内容はマイヤー・ランスキーの自叙伝的物語。戦前・戦後で荒稼ぎした伝説のギャング。
「成功した実業家がヤクザだった」談志風に言えばそういうこと。映画としての評価は米国でも日本でも低い。それはドンパチが少ないからかもしれない。派手さがない。地味な作品である。
しかし、ボクは十分楽しめた。ランスキーはもちろん、ラッキー・ルチアーノ、バクジー、アル・カポネなどなど、大袈裟でなくギャングがアメリカを牛耳っていた頃。そういう時代背景の予備知識があったから。
それと、ランスキー役のハーヴェイ・カイテルをたっぷり見ることができた幸せ。そりゃ、邦題やポスターは最低だけどね。120分、まったく飽きなかった。ハーヴェイ好きな映画ファンにはオススメできる。
原題は「LANSKY」だ。
そのままでイイと思いませんか?
ヘーマ