耳コピ
2023年 04月 18日
「亜無亜危異」のドキュメント映画を見た。
2度目。最初は劇場観賞したが、今回はAmazon primeで。日本の元祖パンクバンド(昭和55年デビュー)。ボクが中学生の頃のパンクといったら、ザ・ブルーハーツとラフィンノーズだ。本家のSEX PISTOLSやTHE CLASHは高校に入ってから触れた。
亜無亜危異、1959年生まれの同級生同士が集まって結成されたバンド。ボクよりひと回り上の世代で夢中なった人は多い。パブリックイメージが膨らみすぎて、極悪人仕立てになってしまった。だが、各メンバーのインタビューを見ると、意外にふつうだったりして面白い。
埼玉県和光市にある団地住まいの彼ら。通信手段が無い時代。コピーする課題曲が決まると、あるメンバーの部屋に全員集合。みんな貧乏だからステレオなんて持っていない。そこで活躍したのが英会話教材の付録についてきた簡易レコードプレーヤーだった。
炬燵でそれを囲んで聴いたそうだ。集団耳コピタイム、この時の集中力はハンパなかっただろう。逃したらアウトだもん。亜無亜危異はこの頃すでに耳の下地ができた。吸収能力に長けた人は潜んでいる才を開花しやすい。いきなり演奏が凄くなったりする。
ロンドンでレコーディングした3rdアルバム以降、素人からミュージシャンに変化したように思う。笑ったのがメジャーデビュー後のエピソードだ。それなりに金が入ってきて、メンバーの体重が全員10キロ増えたという。とても人間っぽくてイイ話である。