「AIR」寸評
2023年 04月 29日
まず役者がイイもんなぁ。
「AIR」は二枚看板。マット・デイモンとベン・アフレック。アフレックの方は監督も務めている。舞台は1984年のアメリカ。バスケのことを何も知らない人でも、「エアジョーダン」は耳にしたことがあるだろう。この伝説のシューズ誕生までを描いた映画なのだ。
それまで、プロバスケットリーグ内で54%の選手がconverseを履いていた。あ、もちろんスポンサー契約を結んでいる選手である。次にadidas、AIR前のNIKEはわずか17%しかいなかったのだ。バスケ部門存続の危機に。そこで担当のソニー(デイモン)にテコ入れ命令が下される。
予算25万ドル。当初、複数選手に分配する予定だったが、ソニー自身がプロデビュー前のマイケル・ジョーダンに目を付けた。まさにダイヤモンドの原石。一転、ジョーダン1人に25万ドルの契約を取りつけようとするが…、あとは作品を見て楽しんでほしい。
派手な場面など一切ないし、後にジョーダンが神の領域に達するような人気と実力を得たことも知っている。それなのに、ストーリーがダイナミックで緊迫感もあり、上映時間112分があっという間に感じた。あえて、ジョーダン本人役を矢面に立たせなかった演出もGOOD‼︎
こういう“引き算”はとても重要なのである。こんな素晴らしい作品が、公開されてまだ3週間というのに規模縮小。都内でも1日1~2回上映がほとんど。地方は打ち切るところも。客入りは悪くないはず。ボクは「新宿ピカデリー」まで足を運んだ。館内は「スーパーマリオ」の客(9割大人)でごった返していた。