「さよならベイビー」考察
2025年 01月 21日
まったく古臭くない。
音楽を聞きはじめて浅い年数の若者たちは、自分の親世代に流行った音を古いと思うはずである。ボクもそうだった。そりゃ時代がちがうのだからしょうがない。しかし、古いと古臭いは別なのだ。
ウォーキングをする時はビート感のあるものを選んでいるが、なぜかサザンオールスターズをチョイス。某ベスト盤をダウンロードして、さらに好み以外を全カット。ミディアム&スローの曲が中心に。
「いとしのエリー」「栞のテーマ」「ミス・ブランニューデイ」「夏をあきらめて」「さよならベイビー」「海」。海岸線を歩くので意外にハマった。全6曲。これらすべて初期~中期である。驚くべきは「さよならベイビー」だ。
めちゃくちゃ難しい。キーも高いが、ダミ声の桑田佳祐の歌唱でこそ艶が出るのだから不思議。しかも終盤、転調から英詞がぶっ込まれている。サウンドの緻密さも桁外れ。何となくAORのテイストを感じる。
まさに、アダルトオリエンタルロック。よくこんな複雑で誰も思いつかないようなメロディが浮かんでくるよなぁ。古臭さゼロ。皆無。これは荒井由美時代のユーミンにも同じことがいえる。天才の音は古くなっても臭くならないのだ。