寄席離れ
2025年 03月 17日
東京拠点を離れて。
なにから遠ざかったといえば、寄席通いだろう。いっとき音楽熱が冷え冷えになったかわりに、のべつ落語へ行ったり、聞いたり、読んだりの毎日。都内へ出れば何かしらの会に必ず足を運んだものだ。
「笑点」レギュラーでもある春風亭一之輔を追いかけたのは、師が真打昇格して2年目あたりだろうか。当時の落語協会長は人間国宝・柳家小三治。ボクが落語好きになったきっかけとなった不世出の大名人である。
その会長自ら一之輔を真打に推挙した。大変珍しいこと。年功序列大崩壊。なんと上にいた先輩28人を抜いたのだ。当時はまだ粗削りな高座に遭遇することはあったが、小三治師曰く「久しぶりの本物」は本当だった。
六代目圓楽師がお亡くなりになり、次にあの座布団に誰が座るのか?落語ファンの邪推があちこちで蔓延する。ボクは女流(桃花)が抜擢されるだろうと思っていたのだが、まさか1番無いと思っていた一之輔とは。
あの生ぬるい感じの大喜利には合わない。しかも作家が台本を作っているわけで。なぜ引き受けたのか謎。これで、一之輔主任の寄席・独演会の入場は、TV人気沸騰で困難なものになってしまった。
笑点ながれの客なんぞ何言っても笑う。面白くもなんともないところで盛大に笑う。しかも弁当むしゃむしゃ食いながらだ。ボク自身の環境というよりも、ペラい客どもがイヤでイヤでしょうがないのだ。